田辺寄席では、参加者に「田辺寄席ニュース『寄合酒』ー当日版」 をお配りしています。
  06年4月までは、桂文太師匠が出題する「寄合酒クイズ」と中川 桂氏(芸能史研究者・大阪大学非常勤講師)の演題の紹介が掲載されて いました。06年5月からは月3回公演に伴い紙面も変更され、三公演 の演題紹介と「楽語写」が掲載されています。このページには演題紹介を収録しました。
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06年2月19日(日)午後1時10分開演)
(新・じっくりたっぷりの会
            ―桂枝曾丸の段)



一、鉄砲勇助    桂 三幸(三枝門下)
 冬に入る前、気象庁は長期予報で今期は暖冬と予想したが、蓋を開けてみると各地で記録的な大雪が降るなど、大変な寒さ。予報は大はずれとなった。その反省に立ち、来年度からは予報に使う観測データを大幅に増やして精度向上に努めるそうだ。落語の中のホラ吹きと違い、うそをついてはいけない立場だから大変。ところで昨シーズン開幕前、「巨人優勝」と言っていた多くの評論家は反省しているのだろうか。


二、半熟親子 桂枝曾丸(五代目文枝門下)
 和歌山県はすぐれた山と海を有し、自然の幸に恵まれ、豊富な歴史遺産がある。全都道府県中でも個人の預貯金額が3位、家賃の安さでは5位というデータもある。ところが、なぜか平均寿命は男女ともあまり長いほうではない。住みやすいあまり不摂生なのだろうか…。そんな和歌山出身の枝曾丸さんが取り組む、和歌山弁落語のレパートリーからの一席。衣装・かつらと「和歌山のおばちゃん」になりきって登場。


三、口合小町    桂 小米(米朝門下)
 絶世の美女として名高い小野小町だが、実際の経歴はほとんど分からず、そのため多くの伝説が生まれた。若い頃の美女伝説は、年老いて落ちぶれる落魄伝説にもつながっている。また歌人としての能力の高さを伝えるものも多く、その一つがこの落語のテーマにもなっている雨乞い説話である。古くからよく知られた話で、落語よりも早く狂言『業平餅』や、歌舞伎十八番の『毛抜』でもこの逸話が使われている。

中入り

四、ズバリ当てま賞〜「き」の三十八番
       桂 文太(五代目文枝門下)
先月「さ」の予想投票では『三十石』と『猿後家』が一、二番人気に。ところが口演は、普段「自殺行為」と呼ばれる「その他」から『三枚起請』だった。投票には文枝師匠の名人芸をしのぶ気持ちもあったと思うが、その面では選択肢の二席にも劣らぬネタ。さて、今月は。
a、『近日息子』世の中は先繰り機転が肝心と注意された息子、今度は実に鮮やかな手回しのよさを見せるのだが。/b、『黄金の大黒』家主の呼び出しと聞くと、誰一人よい話とは想像しない貧乏長屋。ところが意に反して慶びごとだった。/c、『九年母』九年母はミカン科の果物で、漢名は橘。それを届けるお使いの途中で誘惑にかられる。/d、その他


五、熊楠   桂枝曾丸(五代目文枝門下)
 白浜温泉は和歌山を代表する観光地のひとつ。夏は海水浴で賑わい、冬はもちろん温泉目当てに大勢の観光客が訪れる。そんな白浜の一角に南方熊楠記念館があって、熊楠生前の収集品など、貴重な資料を目にすることができる。南方熊楠(一八六七〜一九四一年)は、和歌山生まれで長年田辺(和歌山の)に住んだ偉大な生物・民俗学者。今も田辺の高山寺に眠る。


紹介文執筆…中川 桂



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