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田辺寄席では、参加者に「田辺寄席ニュース『寄合酒』ー当日版」 をお配りしています。 06年4月までは、桂文太師匠が出題する「寄合酒クイズ」と中川 桂氏(芸能史研究者・大阪大学非常勤講師)の演題の紹介が掲載されて いました。06年5月からは月3回公演に伴い紙面も変更され、三公演 の演題紹介と「楽語写」が掲載されています。このページには演題紹介を収録しました。 |
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〈田辺寄席 皐月席〉 第387回06年5月20日(土)〜昼席〜午後1時10分開演 一、牛ほめ 笑福亭 呂竹(呂鶴門下) 大阪から池田へ行くには、渡し船に乗ったり弁当を使ったり、多少の入費がかかるはずだがそれを上回る小遣い収入を期待して出掛けた? 二、仔猫 桂 文華(五代目文枝門下) ネコの出てくることわざや慣用句は大変多く、改めて人間との結びつきの強さを感じさせられる。「猫舌」「猫背」「猫かわいがり」「猫に小判」「猫に鰹節」…。そしてこの落語にも。 三、本膳 笑福亭 小つる(六代目松鶴門下) 落語には他人の言動をそのまま真似して失敗するというパターンがよくあるが、基本的にはその形といえるか。各地の昔話にもこの『本膳』と似たようなものはよくあり、講談でも『荒大名の茶の湯』に同様の趣向がある。 中入り 四、ズバリ当てま賞〜「み」の四十一番 桂 文太(五代目文枝門下) a、『味噌蔵』ケチの旦那の下で働く奉公人の悲哀。/b、『深山隠れ』人里離れた地方で起こる、なんとも不思議な出来事。/c、『味噌豆丁稚』丁稚も大変な稼業、つまみ食いにも気を遣う。ちょっと珍しい小品。/d、その他 五、植木屋娘 桂 文華(五代目文枝門下) 若年者減と婚姻の減少に悩む某結婚式場が、最近増えている、いわゆる「できちゃった結婚」に着目した新サービスを開始。妊婦さんに配慮した、結婚と懐妊の「ダブル・ハッピープラン」だそうな。さて、おみつと伝吉の結末は。 〈田辺寄席 皐月席〉 第388回06年5月20日(土)〜夜席〜 午後5時40分開演 一、野崎詣り 桂 まん我(文我門下) 現在は5月の1日から10日までが、野崎詣りの期間。黄金連休と重なり、とくに休日の昼過ぎは大変な賑わいをみせる。 二、禍は下 桂 宗助(米朝門下) 日常的に着物を着なくなった今日では、相撲界や落語界の新弟子さんに着物のたたみ方を教えるのがひと苦労という。とくに袴をたたむのは難しいが、それは今に始まったことではなく、昔からのことだったようだ。 三、言葉の相談室 (さとう裕・作) 笑福亭 伯鶴(六代目松鶴門下) 噺家さんと作家さんとの共同作業で次々に新作が生み出されているが、これもそんな一席。 中入り 四、ズバリ当てま賞〜「し」の四十二番 桂 文太(五代目文枝門下) a、『十徳』医者などが着た外出着をめぐって、足し算が展開される。/b、『蛇含草』ダイエット・マニアに販売したら絶対売れそうな薬草、なめてみたところ…。/c、『十三の渡し奇譚』「情けは人のためならず」というが、善行が奇跡的に身の不運を救う。/d、その他 五、らくだ 桂 宗助(米朝門下) 田辺寄席では昨年三月の、鶴瓶師匠の口演以来。おとなしそうな紙屑屋が酒に酔うにつれて、だんだんと変化していくところが見せ場だが、煮しめの取り方などにもその変化を表す細かな演出が伝えられている。 〈田辺寄席 皐月席〉 第389回06年5月21日(日)〜昼席〜 午後1時10分開演 一、平の陰 桂 ちょうば(ざこば門下) 手紙を表現する場合、手拭いを使う時と扇子を使う時の二通りあるが、扇子を開いて巻紙の手紙を表現する着想には感心させられる。 二、町内の若い衆 笑福亭 恭瓶(鶴瓶門下) 元禄三年(一六九〇)、鹿野武左衛門の咄本に原話が見られる、歴史の長い一席。現在のストーリーの骨格が、この時点でほぼ出来上がっている。上方では古くは『鉢山嬶』の題で演じられたが廃れてしまった。 三、皿屋敷 桂 文也(五代目文枝門下) 皿屋敷伝説は日本各地にあるが、やはり関西人としては姫路が本家といいたいところ。辻褄は合わないが姫路城内にはお菊井戸もあるし、姫路駅近くにはお菊神社も祀られている。 中入り 四、ズバリ当てま賞〜「え」の四十三番 桂 文太(五代目文枝門下) a、『江戸荒物』明治時代にも、産地?偽装の商売があったようで。/b、『閻魔堂奇譚』男を恋い焦がれて、女の幽霊が出現する。/c、『恵比寿小判』短いながらも珍品。笑うには将棋の知識を必要とする。/d、その他 五、そば清 笑福亭 恭瓶(鶴瓶門下) テレビ番組でも大食いや早食いがよく取り上げられ、問題になったりするが、どれ位・早く食べるかというのは単純に人の興味を引く素材なのは確かだ。今でも「超大盛を○○分以内に食べたら無料」といった店をけっこう見る。 紹介文執筆…中川 桂 |