田辺寄席では、参加者に「田辺寄席ニュース『寄合酒』ー当日版」 をお配りしています。

  06年4月までは、桂文太師匠が出題する「寄合酒クイズ」と中川 桂氏(芸能史研究者・大阪大学非常勤講師)の演題の紹介が掲載されて いました。06年5月からは月3回公演に伴い紙面も変更され、三公演 の演題紹介と「楽語写」が掲載されています。このページには演題紹介を収録しました。
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神無月席田辺寄席
第438回
10月20日(土)昼席 午後1時40分開演

〈いちもん会〉

一、平林      笑福亭 鉄瓶(鶴瓶門下)

 昨今より入門年齢がはるかに若かった時代は、『寿限無』やこの『平林』などが年若い新米の落語家によく似合ったことだろう。

二、延陽伯     笑福亭 扇平(仁扇門下)

 「こん松・せんべい」の漫才コンビで賞を獲るなど活躍したが、落語に回帰。『延陽伯』は大師匠の仁鶴師も若い頃よく演じていた。

三、四三八号笑呆亭…『松島心中』から
     桂 文太(五代目文枝門下)

 子供を道連れに一家心中、といったニュースが決して珍しくない。中には子供だけが亡くなり、親は死にきれず…という事件もあって、やるせなくなる。芝居や落語の世界では、心中といえば男女の心中が普通。子供まで巻き添えにしていては、とても芝居にならないか。


中入り

四、漫画ショー       いわみせいじ

漫画やイラストで活躍、落語ファンには笑マガや春団治一門新聞でもおなじみ。普通に書くだけではない、上手さとアイデア満載の舞台。

五、仏師屋盗人   笑福亭 呂鶴(呂鶴一門)

 仏師屋は仏像の製作や修理をする商売。仏教の普及に伴うだけに歴史は古く、狂言にも『仏師』という分かりやすくて面白い曲がある。「仏師屋の観音」ということわざがあり、これは人手が足りないことのたとえ。修理のため仏師屋に持ち込まれた観音像は、壊れて手がないところから「手が足りない」というシャレだ。

神無月席田辺寄席
第439回
10月20日(土)夜席 午後6時10分開演

〈いちもん会〉

一、十徳      桂 ぽんぽ娘(文福門下)

 東京で不思議な漫談をやっていたが、繁昌亭開席を機に大阪へ来て噺家に。基礎もあり舞台度胸もいい。東京弁で演じる一席にご期待を。

二、動物園      桂 まめだ(文福門下)

 関西では、古くから親しまれてきた老舗の動物園や遊園地が、少子化の影響だろうか、近年次々と消えている。今後は、むしろ移動動物園の需要が増えてくるかも。

三、四三九号笑呆亭…『稽古屋』から
         桂 文太(五代目文枝門下)

 演者により変化はあるが、男が稽古屋へ出向く時に踊られているのは「越後獅子」が多い。江戸時代に江戸の中村座で初演された変化舞踊の一つで、越後から出てきた、角兵衛獅子とも呼ばれる獅子舞の大道芸を舞踊に取り上げたもの。落語に出てくるのは「何たら愚痴だえ 牡丹は持たねど越後の獅子は 己が姿を花と見て 庭に咲いたり咲かせたり」というくだりである。


中入り

四、腹話術  千田 やすし(川上のぼる門下)

腹話術は海外で始まり、日本では一九三九(昭和14)年ごろから流行したという。

五、上燗屋       桂 文福(文福一門)

 「上かんや ヘイヘイヘイと さからわず」の川柳を作った西田当百は明治から昭和初期に活躍した人物。新聞記者の傍ら川柳活動を行い、関西の川柳界に多大な貢献をした。冒頭の川柳は一九一三(大正二)年の作である。

神無月席田辺寄席
第440回
10月21日(日)昼席 午後1時10分開演
〈いちもん会〉


一、始末の極意  桂 ちょうば(ざこば門下)

 「一枚の紙を三通りに使う法」「タダでダシを取る法」など、秘伝書にして売り出せば儲かるか? いや、倹約家は金払って買わないか。

二、うなぎ屋 桂 歌之助(二代目歌之助門下)

 奈良・平安時代は「むなぎ」と言ったらしく『万葉集』にもその名称が見えるうなぎは、昔から栄養価の高い食べ物として重用された。酒の肴にも最適だが、捌ける職人が…。

三、四四〇号笑呆亭…『袈裟茶屋』から
         桂 文太(五代目文枝門下)

 東京では『錦の袈裟』。袈裟はサンスクリット語カシャーヤの音訳で、本来の意味は赤褐色の色をさす。衣のことではなかったのだが、いつしか衣の名になった。まさにこの落語にぴったりのことわざに、「袈裟で尻をぬぐう」というのがある。物事の見境がないことのたとえ。


中入り

四、立体紙芝居     桂 米平(米朝門下)

 柳家三亀坊師の紙芝居『滝の白糸』が、べかこ(現・南光)さんへ受け継がれた。米平さんは更に発展させ、新作に取り組んでいる。

五、猫の忠信      桂 米二(米二一門)

 11月の国立文楽劇場公演では、人形遣い吉田玉男さんの一周忌追善として『曽根崎心中』などゆかりの演目が出る。その中では追善演目ではないが『艶姿女舞衣』(酒屋の段)が、素人浄瑠璃でよく語られたもの。『義経千本桜』では、三段目の「すし屋」がよく稽古されたようだ。

紹介文執筆…中川 桂




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