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田辺寄席では、参加者に「田辺寄席ニュース『寄合酒』ー当日版」 をお配りしています。 06年4月までは、桂文太師匠が出題する「寄合酒クイズ」と中川 桂氏(芸能史研究者・大阪大学非常勤講師)の演題の紹介が掲載されて いました。06年5月からは月3回公演に伴い紙面も変更され、三公演 の演題紹介と「楽語写」が掲載されています。このページには演題紹介を収録しました。 |
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師走席田辺寄席昼席 第444回 12月15日(土)昼席 午後1時10分開演 〈いちもん会〉 一、犬の目 桂 三四郎(三枝門下) 「トラホーム」は伝染性の結膜炎のことだが、今では死語。そのためこの言葉を使ったシャレの箇所も最近はカットされることが多い。 二、打飼盗人 桂 文華(五代目文枝門下) 打飼は「打飼袋」の略で、もともと犬・馬などの食糧を入れて携帯する容器だったが、旅人が食料を持ち運ぶ容器を指すようになり、これにお金や鼻紙なども入れるようになった。 三、四四四号笑呆亭…『江戸荒物』から 桂 文太(五代目文枝門下) 「おうこ」は東京では天秤棒。江戸時代の書には「負う木」がその語源か、としているものもある。店構えではない、振り売りの商人には欠かせない道具だが、今や天秤棒といっても通じない世代も多く、落語を伝えるのも難しい。 中入り 四、お夏清十郎 春野 恵子(百合子門下) 曲師・沢村さくら 兵庫県・姫路で起こった実説が基で、西鶴が『好色五人女』に記すなど多様な文芸や歌謡、芸能に取り扱われた。旅籠屋の手代・清十郎が店の一人娘・お夏と駆け落ちし、さらに…。 五、OH!舞妓(マイガール) 桂 あやめ(あやめ一門) 一時期は舞妓さんの人数も減少したが、最近では10代の舞妓さんが、ブログを開設するなどITを活用。その効果あって、また舞妓さんの志望者が増加に転じているそうだ。 師走席田辺寄席 第445回 12月15日(土)夜關午後6時10分開演 〈いちもん会〉 一、ふぐ鍋 林家市楼(四代目染語楼門下) 忘年会シーズン到来。鍋を囲みながら一杯…というのも定番の一つだが、ふぐ鍋が食べられる忘年会は、かなり予算のあるとこでしょう。 二、借家借り 林家染左(染丸門下) この演題で上方にあったネタだが、絶えてしまっていた。現在の型は桂雀三郎師匠が東京の『小言幸兵衛』を参考に復活したもの。やたらと口うるさい親父さん、身近にもいるのでは。 三、四四五号笑呆亭…『天王寺詣り』から 桂 文太(五代目文枝門下) 四天王寺さんの毎年一月の恒例行事といえば、14日に行われる修正会結願法要の「どやどや」。褌姿の若者がお札を奪い合う姿はニュース映像でもおなじみだ。また毎月21・22日には境内一円で縁日も行われているので、お彼岸以外にもぜひ一度天王寺さんへおまいりを。 中入り 四、音曲漫才 姉様キングス 桂 あやめ(あやめ一門)、林家染雀(染丸門下) 今月24日には、繁昌亭夜席で「クリスマスショー」を開催。今や国境を越え、性別も越えて?活動する、古典的素養を生かした芸者姿漫才。 五、莨の火 林家 うさぎ(染丸門下) 格式の高い曽根崎新地(北の新地)における、金満家の並外れたお座敷遊びを描く。主人公・めし(食・飯)の旦那は、実在した泉州佐野、今の泉佐野市の豪商がモデルで、鴻池さんとも親戚というから実にスケールの大きな話。 師走席田辺寄席昼席 第446回 12月16(日)昼席 午後1時10分開演 〈いちもん会〉 一、軽業 桂 吉の丞(初代吉朝門下) 幕末に早竹虎吉はじめ、人気の軽業一座が次々に現れた。「和矢竹の野良市」はそのもじりである。そんな当時の興味・関心が伺える一席。 二、向う付け 桂 紅雀(二代目枝雀門下) 先月の『天災』に続き、無筆の者を扱った落語。ほかにも『手紙無筆』や『平林』、近代の作では『代書』など、字の読み書きのできない人を扱った噺は意外に多い。 三、四四六号笑呆亭…『足上り』から 桂 文太(五代目文枝門下) 昔の芝居小屋は、中央部にある平場よりも、両端にある桟敷のほうが高価だった。相撲のマス席と同じで、一つの区画を数人で買い切るためである。大きな小屋では桟敷が二階建てになっていたのも人気の秘密かもしれない。そんな桟敷で豪勢な芝居見物をしたのがアダに。 中入り 四、強情灸 雷門 幸福(小福門下) 名古屋で活動する噺家が田辺に登場。『強情灸』は寄席で時間の少ない時に重宝するネタで、東京でよく演じられる。古くは五代目志ん生師、近年では五代目小さん師が得意にしていた。 五、植木屋 桂 雀々(二代目枝雀門下) 節季とは掛け売りの決算期のことだが、上方では元は3・5・9月の節供前と盆前・年末の五節季だったところへ、のちに10月晦日が加わって年六回となった。こちらも無筆の植木屋さん、節季に伝吉さんに来てもらったのが縁で…。 紹介文執筆…中川 桂 |