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田辺寄席では、参加者に「田辺寄席ニュース『寄合酒』ー当日版」 をお配りしています。 06年4月までは、桂文太師匠が出題する「寄合酒クイズ」と中川 桂氏(芸能史研究者・大阪大学非常勤講師)の演題の紹介が掲載されて いました。06年5月からは月3回公演に伴い紙面も変更され、三公演 の演題紹介と「楽語写」が掲載されています。このページには演題紹介を収録しました。 |
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如月席田辺寄席 第414回 2月17日(土)午後1時40分開演 〈新・じっくりたっぷりの会 ―笑福亭遊喬の段〉 一、時うどん 林家 市楼(四代目染語樓門下) 記録的な暖冬。過ごし易いのはよいが、冬が書き入れ時の商売は大変。うどんの売り上げは寒い冬にくらべてどうなのだろうか。 二、池田の猪買い 笑福亭 遊喬(松喬門下) ご当地・池田ではこの冬、この落語と猪鍋をセットにした催しを売り出し中。先日は猪鍋つき落語会が催されたほか、山の手の温泉旅館でも、落語と猪鍋のパックが用意されている。 三、四一四号笑呆亭…『抜け蟹』から 桂 文太(五代目文枝門下) 『抜け雀』を移し替えるにあたって、文太師匠は噺の舞台を東海道の「坂下(さかのした)宿」にした。鈴鹿峠のふもとで、東海道48番目の宿場。土地が険しく田畑が少ないため、宿場業がさかんになったという。 中入り 四、座長の涙 ∧小佐田定雄・作∨ 桂 団朝(米朝門下) 大衆演劇といえば第一部が「まげもの」の芝居、第二部が歌謡ショーというのが定番だが、この形が定着したのはそう古いことではないそうだ。大阪でもまだまだ大衆演劇は健闘中。 五、住吉駕籠 笑福亭 遊喬(松喬門下) お正月の住吉大社の人出は相当なものだが、ほかにも住吉っさんの年中行事は多種多彩である。春は卯の葉神事、6月は豊作を祈るお田植え神事、盛夏は大祭(住吉祭)、秋は名月を愛でる観月祭…と、年間を通して参拝者が多い。 如月席田辺寄席 第415回 2月17日(土)午後6時10分開演 〈いちもん会〉 一、鉄砲勇助 露の 団姫(団四郎門下) テレビの納豆情報、菓子会社の賞味期限、ホテルの耐震偽装…。昨今のニュースは「うそ偽り」だらけ。うそは落語の中だけにして! 二、始末の極意 かつら 小梅 梅団治さんの愛息、少年・二世落語家の登場。いまどきの若い世代には似合わない?始末・節約の噺を、どう聴かせてくれますか。 三、四一五号笑呆亭…『瑠璃壷名誉早駆』から 桂 文太(五代目文枝門下) 「幕の内弁当」が芝居から出たものであることは有名だが、江戸末期の『近世風俗志』によればこれは江戸の風習で、関西では幕の内弁当は食べなかった。江戸の幕の内には、今の焼きおにぎりのような握り飯を入れていた。 中入り 四、ラジオ川柳 桂 春菜(春団治門下) ラジオ番組では昔から、リスナー(聴取者)からの投稿ハガキで構成される番組が人気だった。大喜利のような言葉遊びに、ラジオは向いているのだろう。現在も俳句や川柳、折り込み都々逸などの投稿番組が人気を保っている。 五、鬼の面 桂 梅団治(春団治門下) 講談の『面の餅』が原典で、現在演じられている形は桂雀三郎師から後輩に伝わったもの。もともとのサゲは、鬼の面のおかげで利を得たのを喜び「道理で金札つかんだ」というものだったが、今ではさっぱり分からない。当世のサゲは、本日お聴きいただくようなことで。 如月席田辺寄席 第416回 2月18日(日)午後1時40分開演 〈いちもん会〉 一、狸賽 桂 ちょうば(ざこば門下) 天満の天神さんでは、ただいま「梅まつり」を開催中。屋内での盆梅展(有料)では、鉢植えの梅と共に道真公の絵像や引札も見られる。 二、厄払い 桂 米左(米朝門下) 節分の翌日、最近は近所でも「鬼は外」と豆をまく声が聞こえない…とラジオで言っていた。将来「厄払い」の風習同様に豆まきも消滅することのないよう、せいぜいやるべし。 三、四一六号笑呆亭…『親子茶屋』から 桂 文太(五代目文枝門下) 初めてこの噺を聴く人には、サゲが少し分かりにくいようだ。男の道楽といえば「飲む・打つ・買う」つまり酒・博打・女遊び。この親子はお茶屋遊びの場で顔を合わせてしまい、お茶屋なら酒・食も伴うと思われるので…。 中入り 四、曲独楽 桂 米八(米朝門下) 繁昌亭が開席し、関西でも色物の重要性が改めて認識されることとなった。今年一月の昼公演からは噺家による余芸の出番も増えている。落語の合間に入っても邪魔にならないたぐいの色物が、今後ますます必要とされそうだ。 五、景清 桂 千朝(米朝門下) 平景清は源平合戦時の武将だが、実像よりも後代の芸能で有名になった。古くは幸若舞や、江戸時代でも浄瑠璃『出世景清』などに、景清が清水寺の観音を篤く信仰していたため、観音に救われて命が助かる逸話が描かれている。 紹介文執筆…中川 桂 |