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田辺寄席では、参加者に「田辺寄席ニュース『寄合酒』ー当日版」 をお配りしています。 06年4月までは、桂文太師匠が出題する「寄合酒クイズ」と中川 桂氏(芸能史研究者・大阪大学非常勤講師)の演題の紹介が掲載されて いました。06年5月からは月3回公演に伴い紙面も変更され、三公演 の演題紹介と「楽語写」が掲載されています。このページには演題紹介を収録しました。 |
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水無月席田辺寄席 第426回 6月16日(土)昼席 午後1時40分開演 〈いちもん会〉 一、子ほめ 桂 福矢(福団治門下) 婚礼では陰気な顔や不吉な言葉を避けようとするのと同様、生まれた赤ん坊を見に行く時は、縁起の悪い言葉を避ける意識が働くものだ。 二、月並丁稚 桂 福六(福団治門下) 小・中学校で、子どもの問題に過剰にクレームをつける一部の保護者が問題視されている。最近も、東京都でクレーム対策に弁護士による相談を開始、とのニュースが。小さい頃から丁稚奉公に出し、社会勉強をさせた時代は遥か昔。現代なら、まず一部の親に丁稚奉公が必要か。 三、四二六号笑呆亭…『寝床』から 桂 文太(五代目文枝門下) かつて浄瑠璃が流行ったのは、単に娯楽として、というだけでなく、それが社交上必要な面もあったからだろう。浄瑠璃を語れるのが旦那のステイタス、という意味合いもあったと思われる。今のゴルフと似たようなものか。 中入り 四、船徳 桂 福車(福団治門下) 江戸の噺を移入したもの。江戸落語ではその舞台が、浅草観音の「四万六千日」の縁日となっている。この縁日は七月の九日、十日の両日行われるが、今日では五十万人の人出とか。 五、仔猫 桂 福楽(福団治門下) 今夏、尾上菊之助主演の映画『怪談』が公開される。原作となった三遊亭円朝の『真景累ヶ淵』は歌舞伎にもなっているが、歌舞伎化は明治時代。『四谷怪談』は江戸時代の文政期の作。 水無月席田辺寄席 第427回 6月16日(土)夜席 午後6時10分開演 〈新・じっくりたっぷりの会―林家染雀の段〉 一、米揚げ笊 笑福亭 呂竹(呂鶴門下) 現代でもプロ野球選手など勝負の世界では、縁起を担ぐ人が多いようだ。打者は(打率が)あがる・のぼる、投手なら(防御率が)さがる・くだるを喜ぶかもしれませんな。 二、按七 林家 染雀(染丸門下) 珍芸…というと失礼だが、音曲漫才「姉様キングス」でも活躍の染雀さん。本業の落語でも珍品をいろいろ持っている。『按七』は無筆ながら小金を手に入れた、按摩の七兵衛の略称。 三、四二七号笑呆亭…『猫の災難』から 桂 文太(五代目文枝門下) 飲酒運転による交通事故が一時期頻発したのは記憶に新しい。その後取り締まりの強化や、罰則の厳罰化も実施された。車に乗らず家で飲む分にはよいが、自分が飲み食いした酒や肴の責任を、隣の猫になすりつけるとは罪深い話だ。 中入り 四、ちりとてちん 月亭 八光(八方門下) 今秋からのNHK朝の連続ドラマは、上方落語の世界を描いた『ちりとてちん』。ドラマの内容はこの噺と直接の関係はないそうだが、どんな物語が展開されるか楽しみ。 五、辻占茶屋 林家 染雀(染丸門下) 辻占とは元来、辻を通りかかった人など全くの偶然性により占うもの。今も東大阪市の瓢箪山稲荷では、志納金を出せば辻占をしてくれるし、もっとお手軽なものでよければ、境内に辻占おみくじの自動販売機も置かれている。 水無月席田辺寄席 第428回 6月17日(日)昼席 午後1時10分開演 〈いちもん会〉 一、ろくろ首 桂 都んぼ(都丸門下) 古い説話に登場するろくろ首には、胴体から首が離れて浮遊するものと、首が伸び縮みするものとの二種類がある。落語は後者。 二、世帯念仏 桂 あさ吉(初代吉朝門下) カラー写真豊富な、週刊分冊百科がヒットして様々なシリーズが出ている。最近では古寺や仏像など、仏教関係のものが目に付く。信仰心もあるだろうが、由緒ある建物や仏像に安らぎを求める面もあるようだ。毎朝、単に習慣で念仏を唱えるのは果たして安らぎのためなのか。 三、四二八号笑呆亭…『南京屋裁き』から 桂 文太(五代目文枝門下) 東京種の長編人情噺。全部演じるとかなり長いので、前半部分だけが口演されることが多い。後半は裏長屋で商いをした若旦那が貧しい母子を助けるのだが、因業な家主がその好意を無にしたため若旦那が怒り爆発…という展開に。 中入り 四、ステージ漫画 フロッグ西嶋(初代かえる門下) 吉本の劇場などで活躍された「ジャズ漫画」の木川かえるさんは、二〇〇五年三月に死去。それを受け継ぐ貴重な芸が田辺寄席初登場。 五、交通安全 〜戸田学作〜 桂 小米(米朝門下) 高齢者が、自転車の運転中や横断歩道の歩行中に事故に遭うことが多いとか。笑って健康にもよく、交通安全啓発にもなるという一席。 紹介文執筆…中川 桂 |