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田辺寄席では、参加者に「田辺寄席ニュース『寄合酒』ー当日版」 をお配りしています。 06年4月までは、桂文太師匠が出題する「寄合酒クイズ」と中川 桂氏(芸能史研究者・大阪大学非常勤講師)の演題の紹介が掲載されて いました。06年5月からは月3回公演に伴い紙面も変更され、三公演 の演題紹介と「楽語写」が掲載されています。このページには演題紹介を収録しました。 |
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睦月席田辺寄席 第447回 1月19日(土)昼席 午後1時40分開演 一、寄合酒 笑福亭 智之介(仁智門下) 新年を迎えての初席は、めでたくお酒の話から。しかしこの落語では、めでたく円満な酒盛り、とはいかないようで。 二、池田の猪買い 笑福亭 仁昇(仁鶴門下) 猪肉の鍋を「ぼたん鍋」という。鍋に入れる前に皿に盛られた猪肉がぼたんの花のように見えるためというが、「牡丹に唐獅子」の獅子を猪にかけて、その縁語でこう呼ぶとの説もある。 三、四四七号笑呆亭…『明烏』から 桂 文太(五代目文枝門下) 東京の真打ネタを、文太師匠がこちらに移したもの。いまだに『明烏』といえば先代の八代目桂文楽師匠の名演が名高く、甘納豆を食べるシーンが絶品で、売店や寄席周辺で甘納豆の売り上げが伸びたという逸話が残っている。 中入り 四、正月丁稚 笑福亭 仁嬌(仁鶴門下) 元旦の商家を描いた、新春ならではの噺。最近は正月といってもお節やお雑煮を食べない家庭も増えたそうで「年中行事の王様」さえも次第に風化している。風俗資料的価値も高いこの落語、子どもや若者にぜひ聴いてほしい。 五、初天神 笑福亭 小つる(六代目松鶴門下) こちらも正月ならではの一席で、一月二十五日、天満宮でその年最初に行われる縁日の賑わいを描く。大阪天満宮の初天神は、現在では受験生の本殿通り抜けや、プロ野球選手による福玉まきなどで賑わいを見せている。 睦月席田辺寄席 第448回 1月19日(土)夜席 午後1時40分開演 一、狸賽 桂 壱之輔(春之輔門下) 昼席のトリ『初天神』に続いて、こちらも天神さんゆかりのネタ。どこに出てくるかは、最後まで聴いてのおたのしみです。 二、いかけ屋 桂 福矢(福団治門下) いかけ屋はなべ・かまなど壊れた金物を修理する仕事だが、江戸時代の文化年間に、大坂にいたって仲のよい夫婦連れのいかけ屋があり、それが芝居の舞踊で演じられたため夫婦連れ立って歩くことを「いかけ」という俗語もあった。 三、四四八号笑呆亭…『愛宕山』から 桂 文太(五代目文枝門下) 幇間二人が山へ登るときに歌われるのは「愛宕山坂」と呼ばれる上方端唄(俗曲)である。かわらけ投げの土器を売っている、二十五丁目の茶屋を歌っているのは落語からも分かるが、二番の歌詞では近江八景が歌われている。 中入り 四、心中縁網島 桂 春雨(春団治門下) 『心中天網島』は小春・治兵衛で知られる近松門左衛門の世話物。現・大阪市都島区の大長寺で実在の二人が心中したとされ、今も境内に比翼塚が残されている。新作の展開は。 五、つぼ算 桂 梅団治(春団治門下) 本町の坐摩神社西側の地域には今でも瀬戸物屋が数軒並ぶが、その辺りがかつて一大問屋街を形成していた頃の噺。軒並み同商売が競い合う活気を彷彿とさせる。梅団治さんの大師匠にあたる二代目春団治が得意にしていた。 睦月席田辺寄席 第449回 1月20日(日)昼席 午後1時10分開演 一、つる 桂 さん都(都丸門下) お正月の図案として今月見かける機会も多いおめでたい鳥。昔から季節にかかわらず、掛け軸や屏風絵でもおなじみだった。 二、替り目 桂 都んぼ(都丸門下) この落語、舞台が現代ならきっとコンビニにおでんを買いに行くだろう。寒い冬の晩、あたたかいおでんが食べたくなる人間心理はいつの時代も変わらない…だからこそ落語は不滅。 三、四四九号笑呆亭…『猿後家』から 桂 文太(五代目文枝門下) 太兵衛が奈良の話の中で持ち出す和歌は「このたびはぬさもとりあへず手向山 紅葉のにしきかみのまにまに」…百人一首でもお馴染みの歌、作者は「菅家」つまり菅原道真。ということで、三公演とも天神さんゆかりのネタ登場。 中入り 四、義士銘々伝 安兵衛高田馬場の決闘 旭堂 南華(三代目南陵門下) 堀部安兵衛といえば四十七士の中でも有名な存在で、酒好きでも知られる。知名度アップのきっかけは、叔父の敵を討つ高田馬場での活躍が講談や浪曲で語られたことにありそう。 五、ねずみ 桂 都丸(都丸一門) ねずみ年の一月席にふさわしい一席。左甚五郎の逸話によるものだが、空海(弘法大師)や行基と同様、全国至る所に伝説と作品が残っており、本当に一人で全部作ったとしたら二百年近く生きたことになってしまうそうだ。 紹介文執筆…中川 桂 |