田辺寄席では、参加者に「田辺寄席ニュース『寄合酒』ー当日版」 をお配りしています。
  06年4月までは、桂文太師匠が出題する「寄合酒クイズ」と中川 桂氏(芸能史研究者・大阪大学非常勤講師)の演題の紹介が掲載されて いました。06年5月からは月3回公演に伴い紙面も変更され、三公演 の演題紹介と「楽語写」が掲載されています。このページには演題紹介を収録しました。
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如月席田辺寄席
第450回
2月16日(土)昼席 午後1時40分開演


一、天狗刺し   桂 雀太(雀三郎門下)

 元々は「五条の念仏ざし」(物指し)がサゲになっているが、今日では分かりにくいため演者によっていくつかのサゲが工夫されている。

二、アメリカ人が家にやってきた
         月亭 八光(八方門下)

 英語落語が始まったのも、今は昔。現在では日本語で落語を演じる外国人が、アマチュアの世界には大勢いる。そんな現代を映す一席。

三、四五〇号笑呆亭…『近日息子』から
     桂 文太(五代目文枝門下)

 今席は節目の第四五〇回公演だが、この「笑呆亭」はネタのイロハ順に進めており、今席もいつも通り粛々と…。そのため日は季節外れの『遊山船』が登場したりするのもご愛嬌。『近日息子』はとくに季節感はなさそうだが、話の中には鰻など夏の風物も出てくる。

中入り

四、口合小町  桂 わかば(ざこば門下)

地口合、つまりは駄洒落の効用を説いた落語。噺の中に出てくるのは、色男として知られる在原業平が紀有常の娘と結婚した後も、河内の女性の元へ通っており、妻もそれを咎めなかったという昔はよく知られていた逸話である。

五、風邪うどん   桂 千朝(米朝門下)

 うどんを食べるシーンはいくつかの落語に出てくる。おなじみの『時うどん』では、面白おかしく食べて笑いを生むような演出もあるが、この噺では本格的な食べっぷりが披露される。


月席田辺寄席
第451回
2月16日(土)夜席 午後6時10分開演


一、道具屋   笑福亭 喬若(三喬門下)

 3月3日はひなまつりだが、お雛様に関連する落語は東京の『雛鍔』ぐらいであまりない。この噺は一応お雛様が登場する。「一応」だが。

二、野ざらし
     笑福亭 鶴二(六代目松鶴門下)

 寒いこの季節でも、釣り場で辛抱強く釣り糸を垂れている人はいるものだ。釣りの趣味は季節を問わないということか。さすがに極寒の中、見物している人は少ないと思うが。

三、四五一号笑呆亭…『黄金の大黒』から
       桂 文太(五代目文枝門下)

 大黒さんはもともとインドの仏で、寺院の台所などに祀られていた。日本では福の神としてえべっさん(戎)と並んで信仰を集めるほか、やはり台所や食堂の神として祀られている。そこから、味噌の神様としての信仰もある。

中入り

四、宗論・寄席の踊り
   笑福亭 猿笑(六代目松鶴門下)

 猿笑さんも語っている通り、着想としては狂言に古くからある。落語では息子がキリスト教になっているのが、かつては目新しかったろう。若い者が新興宗教に惹かれるのは昔からか。

五、市助酒   笑福亭 松枝(松枝一門)

 火の用心に回る酒好きの市助が、遠慮しながらも次第に酔っていくのが聴きどころ。六代目松鶴師匠もそう頻繁には演じていなかったネタで、最近は聴く機会もあまりない。貴重な一席を最適の季節に聴けるありがたさ。


如月席田辺寄席
第452回
2月17日(日)昼席 午後1時10分開演


一、読書の時間   桂 三弥(三枝門下)

 朝の読書活動は小学校を中心に広がりを見せている。「読む」「聞く」力が落ちているのでは…といわれる昨今、ぜひ落語鑑賞も活用を。

二、二人癖  桂 文昇(五代目文枝門下)

 かつては古本屋に行けばよく詰将棋の本が置いてあったり、電車内でも詰将棋の本を読んでいる人を見かけたりしたが、このごろそんな機会が減ったと感じるのは私だけだろうか?

三、四五二号笑呆亭…『遊山船』から
       桂 文太(五代目文枝門下)

 イロハ順で演じているため、真冬に真夏のネタ登場。噺家さんのマクラでもよく言われるが、季節外れの時に噺の中の季節感を感じさせる噺家は立派だ。文太師匠の『遊山船』にはいろいろクスグリ(ギャグ)も加えられており、普段の『遊山船』以上に楽しめること請け合い。

中入り

四、三象踊り    桂 三象(三枝門下)

昔の落語定席では、一席終わった後に立ち上がって踊りを披露する噺家さんがよくあった。語り芸が続く中でよい色どりになる、という効果もある。本格的なものでなく、どこか噺家らしい、くだけたシャレたものであることが肝要。三象さんの踊りは一高座として登場。

五、柳田格之進  桂 枝三郎(三枝門下)

 講釈から作られた人情噺で、東京落語のレパートリー。枝三郎さんがどんな工夫を加えるかも聴きどころ。こちらには碁好きの浪人が…。


紹介文執筆…中川 桂




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