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田辺寄席では、参加者に「田辺寄席ニュース『寄合酒』ー当日版」 をお配りしています。 06年4月までは、桂文太師匠が出題する「寄合酒クイズ」と中川 桂氏(芸能史研究者・大阪大学非常勤講師)の演題の紹介が掲載されて いました。06年5月からは月3回公演に伴い紙面も変更され、三公演 の演題紹介と「楽語写」が掲載されています。このページには演題紹介を収録しました。 |
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弥生席田辺寄席 第453回 3月15日(土)昼席 午後1時40分開演 一、商売根問 桂 阿か枝(五代目文枝門下) 一門による別など、いくつか演出の違いがあり、出てくる商いも異なっている。今のフリーターのはしりのような主人公を扱った噺。 二、デブのお肉に恋してる 桂 三金(三枝門下) メタボリック症候群…略して「メタボ」という言葉だけが独り歩きしているような昨今。ただただ腹回りのサイズだけで、健康か不健康かが分かれるわけでもないだろうに。 三、四五三号笑呆亭…『眼鏡屋盗人』から 桂 文太(五代目文枝門下) 日本に初めて伝えられた眼鏡は、サンフランシスコ・ザビエルが一五五一(天文)年に 大内義隆に献上したものだという。ザビエルが伝えたのはキリスト教だけではなかったようだ。紐を耳にかける方式の江戸時代当時の眼鏡は、支柱式天狗眼鏡というのが正式名称。 中入り 四、和歌山弁落語―祝い事 桂 枝曾丸(五代目文枝門下) 「和歌山のおばちゃん」のカツラ・着物姿で和歌山弁落語を演じる和歌山出身の枝曾丸さん。今回は親戚の結婚式での騒動を描いた一席。 五、紙入れ 桂 枝光(五代目文枝門下) 浮気を扱った落語…ということになるのだろうが、女性側よりむしろ亭主の呑気さや間抜け加減が際立つ噺。浮気を嗅ぎつけるには敏感な感覚も必要だが、これだけ鈍いと致し方ないか。 弥生席田辺寄席 第454回 3月15日(土)夜席 午後6時10分開演 一、鉄砲勇助 桂 そうば(ざこば門下) 上方落語の世界を描く朝ドラ「ちりとてちん」もいよいよ終盤。うそつきの新弟子・小草々の本名「木曽山勇助」はこの噺から来ている。 二、禁酒関所 桂 ひろば(ざこば門下) 役職をタテにして暴利をむさぼる役人は、いつの時代にも存在する。酒を飲まれた仇を討つために、なんとも意外なものを持ち込むが。 三、四五四号笑呆亭…『味噌蔵』から 桂 文太(五代目文枝門下) 味噌は土地によって材料の配合や熟成期間が違い、さまざまな味わいがある。「手前味噌」の言葉が生まれるくらいに千差万別というわけだ。一般に寒冷地の味噌は辛口で、暖かい地方は甘めの味という。この落語の味噌屋さんは、やはり薄味だったのだろうか。 中入り 四、ステージ漫画 フロッグ西嶋(初代かえる門下) 元・高校の先生ながら、木川かえる師の門下。かえる師の舞台道具やパネルなど一式を譲り受け、師匠と同じようなスタイルの舞台を展開する。田辺寄席は二度目の登場。 五、厩火事 桂 ざこば(ざこば一門) 昨年五月の「繁昌亭田辺寄席」では『子は鎹』を演じたざこば師匠、田辺での出演は初めてとか。中国の思想家・孔子は儒教の創始者として名高い、紀元前の人。そんな孔子のエピソードを引きながら夫婦の情愛を描く。 弥生席田辺寄席 第455回 3月16日(日)昼席 午後1時10分開演 一、道灌 露の 団姫(団四郎門下) 人の真似をして失敗する、落語ではおなじみのパターンだが、扱っているのが和歌だけに、ひときわ上品な趣のある一席である。 二、運付酒 露の 団六(五郎兵衛門下) 長編落語『東の旅』の中の一編だが、ほとんど聴く機会のない貴重なネタ。東京では『長者番付』の題で演じられるが、東京でもこの噺、昔ほど高座にかからなくなっているようだ。 三、四五五号笑呆亭…『蛇含草』から 桂 文太(五代目文枝門下) 演題のイロハ順に演じているこの企画、寒かった先月も夏の川遊びを描いた『遊山船』が登場したが、春先の今月も夏のネタが。暑い夏場に熱い餅を食べる…。それがさらに、食べ過ぎの苦しさを増幅させる効果を生んでいる。 中入り 四、手品指南 桂 朝太郎(米朝門下) 噺家の余芸の域を超え、立派にひと高座として通用する朝太郎さんのマジック。田辺寄席でも公演数が増えて以後、登場の機会も増え、おなじみの存在になってきた。 五、雪の子守唄 露の 団四郎(団四郎一門) 博打に入れあげて家庭を顧みず、子どもも放ったらかし…いつの時代にも絶えることのない人間の暗部なのだろう。そこまでいかずとも、現代も子どもを車内に残してパチンコに熱中、といった話は後を絶たない。こちらは博打に入れあげながらも我が子を気にかける人情噺。 紹介文執筆…中川 桂 |