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長月席田辺寄席
第471回
9月20日(土)昼席 午後1時40分開演
《いちもん会》


一、宿屋町     桂 さん都(都丸門下)

 おなじみ「東の旅」シリーズの一つ。お伊勢参りをすませた喜六・清八の二人が大津に宿場町にたどり着くまでが描かれている。元々は「こぶ弁慶」の前半を独立させた噺である。

二、嬶違い   桂 文太(五代目文枝門下)

 かつて初代橘ノ円都師匠が頻繁に演じていたとされる「嬶違い」。文太師匠のみならず、同じ文枝一門の弟弟子である桂つく枝さんもこの噺をよく高座で披露している。

三、はてなの茶碗  桂 小米朝(米朝門下)

 まもなく、師匠であり実父でもある桂米朝の師匠・桂米團治の襲名を控えている小米朝師匠。先代の四代目米團治は、資格を取り代書屋を開いた経験から今でも多くの噺家が演じている「代書」が生まれたという説がある。そんな米團治の名がこの秋、五十七年ぶり復活する。

中入り

四、足上がり     月亭八天(八方門下)

 “足が上がる”ということは、今で言えばクビになるという意味。落語界の丁稚さんは嘘を頼まれても、結局正直に話してしまい旦那や番頭を窮地に立たせてしまう。「禍は下」という噺でも、同じような光景を見ることができる。

五、善悪二筋道    旭堂 南鱗(南鱗一門)

 三代目・旭堂南陵師匠の十八番と言われた噺。善悪の説として、世の中の自称を善悪の二つに分類する善悪二元論という思想があるが、ドイツの哲学者・ニーチェはこれを否定したという。


長月席田辺寄席
第472回
9月20日(土)夜席 午後6時10分開演
《いちもん会》


一、兵庫船     笑福亭 松五(松枝門下)

 原話は文化年間に出版された笑話本「写本落噺桂の花』の一遍である「乗り合い船」。江戸落語では「五目講釈」とも呼ばれ、噺に講釈師が登場し、鱶(ふか)が講釈師の叩きから蒲鉾屋と勘違いするというサゲの違いもあるよう。

二、禁酒関所   桂 文太(五代目文枝門下)

 武士の酔いから犯した過ちにより、発令された禁酒令。士農工商と言われていた当時、農工商の人々は貧しいながらも酒を飲むことを許されていたが、武士だけは許されなかった。

三、天王寺詣り    笑福亭呂鶴(呂鶴一門)

 当初は「天王寺名所」と呼ばれていたが、「犬の引導鐘」という短い話を一緒にしたのが今の「天王寺詣り」である。天王寺を舞台にした落語は他にも「戒名書き」「悟り坊主」「ブラリシャラリ」といった、いずれも短い噺がある。

中入り

四、饅頭こわい    笑福亭晃瓶(鶴瓶門下)

 「饅頭こわい」は初めは江戸の噺だったのを上方へと移行し内容を大きくした後に、再び江戸落語へと吸収されたと言われている。安永八年の「気のくすり」という小咄に通じている。

五、名医と名優  旭堂南北(三代目南陵門下)

 名医とは半井法眼、名優とは三世中村歌右衛門のこと。法眼と歌右衛門、それぞれが感じた恩と絆を感じることのできる一席であり、大島伯鶴の十八番とされたと言われている。


長月席田辺寄席
第473回
9月21日(日)昼席 午後1時10分開演
《いちもん会》


一、商売根問    露の 団姫(団四郎門下)

 雀や鶯を捕まえてひと儲けしようとする噺でおなじみであるが、この中で「うどん屋」で儲けようというする噺もある。馬場町…今の大阪城あたりに屋台を出していたという。

二、桑名船煙管遣取り  桂 文太(五代目文枝門下)

 かつて、尾張の熱田から伊勢の桑名までを結んでいたのが桑名船。元々は上方種の播州めぐりの中にあり、前半が明石名所、後半の兵庫から金毘羅へ向かう出来事が兵庫船と似た内容となっている。

三、鴻池の犬    桂 春若(春団治門下)

 鴻池前右衛門が屋敷を構えていたといわれる今橋とは、現在の適塾付近、淀屋橋周辺である。
日本生命や資生堂などの大企業が構え、大阪屈指のビジネス街と呼ばれている。

中入り

四、レプリカ(神崎京一作)       桂 福車(福団治門下)

 「作の市」など古典の珍品も手がける福車さんが、新作の中でも手がけることの多い今回の作品。思い入れの強さがうかがえる。

五、幸助餅  旭堂 南左衛門(南左衛門一門)

 講談ばかりでなく、落語では林家染丸師匠や林家花丸さんが手がけ、故・藤山寛美さんの松竹新喜劇の中でも傑作といわれた「幸助餅」。演芸法は変われども、あたたかい噺は変わらず。

紹介文執筆…吉田 達



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