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第489回 田辺寄席 3月21日(土) 昼席 午後1時40分開演 《いちもん会》 一、 いらちの愛宕参り 笑福亭 瓶成(鶴瓶門下) 愛宕山を舞台にした噺には、代表的な「愛宕山」ともう一つがこれ。東京に移されて題名は「堀の内」とされている。愛宕山と聞けば、すぐそこまで春が訪れているように感じる。 二、秘伝書 笑福亭 由瓶(鶴瓶門下) 「この本一冊あれば、人間一生涯楽に暮らせます」。「秘伝書」にある台詞の一つ。仮に初めは楽に暮らせることに喜びがあっても、後々その楽さにも慣れてしまい、やがて飽きてしまう姿に見当がつく。 三、 四八九号笑呆亭…『猫定』から 桂 文太(五代目文枝門下) 六代目三遊亭圓生作の怪談混じりの人情噺とも言われる作品。「猫定」というこのタイトル。猫にまつわる噺、そして定吉。この二つのキーワードがどう絡んでいるか注目である。 中入り 四、笠碁 笑福亭 生喬(生喬一門) 年に一回、生喬さんと一緒に二人会を開いている柳家小里ん師匠直伝である「笠碁」。「鰻谷の由来」や「殿集め」などの珍品もこなす生喬さんのネタに、また味わいある一席が加わった。 五、貧乏花見 笑福亭 三喬(三喬一門) 舞台は日本橋筋の裏手。当時長町裏と呼ばれた貧乏長屋。江戸時代は日家賃といって、毎日家賃を払っていたらしい。 第490回 田辺寄席 3月21日(土) 夜席 午後6時10分開演 《いちもん会》 一、 犬の目 桂 佐ん吉(初代吉朝門下) 落語には“目”にまつわる噺が多く登場する。「景清」「作の市」「大仏餅」など…今回の「犬の目」もそう。落語と目ん玉は、とても深い関わりがあるのではなかろうか。 二、 真田小僧 桂 都んぼ(都丸門下) 「真田小僧」とは東京での題で、上方ではかつて「六文銭」と名づけられていた。噺に出てくる天才軍師・真田幸村。大河ドラマ「天地人」にも後々登場予定で、真田幸村の姉・初音を長澤まさみが演じていることも話題だ。 三、四九〇号笑呆亭…『饅頭こわい』から 桂 文太(五代目文枝門下) 上方の「饅頭怖い」では怖いものに関するくだりが出てくるが、東京版は出てこない。東西の聴き比べを楽しめる一席である。 中入り 四、オーサカ・シネマロケンロール 月亭 遊方(八方門下) 遊方さんの新作の中でも、特に大阪らしさが色濃くにじみ出てる作品がこの噺。「うわ〜大阪にこんな人おるおる!」。聴いてみれば、あなたは絶対そう叫びたくなる。 五、抜け雀 桂 米輔(米朝門下) 元来の「抜け雀」は、雀は座敷を飛び回るだけで外には飛んでいかなかったよう。噺も歴史と共に塗り重ねられていることがよくわかる。 第491回 田辺寄席 3月22日(日) 昼席 午後1時10分開演 《いちもん会》 一、道しるべ 桂 三幸(三枝門下) 自身の会も多くスタートさせ、師匠・桂三枝の新作だけでなく、自身の新作はもちろん、古典にも力を注いでいる三幸さん。「道しるべ」は三幸さんもメンバーの一人である噺家・講談師ユニット「セブンエイト」の作品。 二、浮世床 桂 文鹿(文福門下) 「浮世床」にはいくつかの型がある。講釈本を読む場面から将棋をやる型、半公の夢に重点を置く型、サゲが髪結い床や畳屋が今の生活からかけ離れたことで途中で切るバージョンなど…文鹿さんの「浮世床」は、一体どの型? 三、四九一号笑呆亭…『天神山』から 桂 文太(五代目文枝門下) 亡き文枝師匠の十八番とされていた「天神山」。市内天王寺区、上町台地にあった安居天神。そして向かいの一心寺。古くはこれら一帯が天神山と呼ばれていた。 中入り 四、〈和歌山弁落語〉同窓会 桂 枝曾丸(五代目文枝門下) おばちゃん姿で高座に上がる和歌山弁落語でおなじみの枝曾丸さん。「同窓会」は会場全体で唱歌を歌うお客さん参加型のようだ。 五、井戸の茶碗 桂 枝光(五代目文枝門下) 上方の舞台は「貧乏花見」と同じ長町裏。一方、東京の舞台は麻布茗荷谷。現在でいえば、白金や麻布十番、泉岳寺周辺である。 紹介文執筆…吉田 達 |