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第525回 田辺寄席 10年 3月20日(土) 昼席 午後1時40分開演 
  《新・じっくりたっぷりの会−桂蝶六の段》


一、 道灌   露の 団姫(団四郎門下)
 太田道灌は室町時代中期の武将で、扇谷上杉氏の家宰職を父・資清から引き継ぎ、のちに居城となる江戸城を築く。騒乱を鎮底するなど名声を挙げるが、晩年は上杉定正に暗殺された。

二、豊竹屋   桂 蝶六(二代目春蝶門下)
 見たり聞いたりしたことを何でも義太夫や浄瑠璃にしてしまう豊竹屋節右衛門。それはある意味、音楽的才能があるのかもしれない。

三、らくだ   桂 文太(五代目文枝門下)
 落語界史上最強、いや最凶の暴れん坊・らくだ。そんな“らくだ”を仕留めたのが河豚。関西ではポピュラーで関東では高級料理と知られていると何かの本に書かれていたが、関西でも河豚は高級料理には変わりない。

中入り

四、釜盗人   桂 福車(福団治門下)
 大泥棒・石川五右衛門が釜ゆでの形に処せられたことから子孫たちが先祖の敵である釜を盗む…現代にはないユニークな盗みの理由だ。

五、仔猫   桂 蝶六(二代目春蝶門下)
 ここに出てくる“おなべ”は女性だが、“おなべ”は下女・女中という意味と、職業上男装して振る舞う女性のことも表している。


第526回 田辺寄席 10年 3月20日(土) 夜席 午後6時10分開演 
   《新・じっくりたっぷりの会−桂枝光の段》


一、 阿弥陀池   桂 三四郎(三枝門下)
 「阿弥陀池」は、明治四十年頃に桂文屋師が作った「新作和光寺」で演じたことが始まり。東京では初代昔々亭桃太郎が改作して東京に移植したとされている。

二、今時のおばあちゃん   桂 枝光(五代目文枝門下)
 文枝一門きっての古典派として名を馳せている枝光さんが、今回は「今時のおばあちゃん」という自作を披露。女子高生などは“今時”とよく用いるが、おばあちゃんの今時とは…?

三、無妙沢   桂 文太(五代目文枝門下)
 元の噺は江戸落語の「鰍沢」。「鰍沢」は山梨県の身延山を舞台にしているが、「無妙沢」では能勢の妙見山に移行している。

中入り

四、盗人の仲裁   桂 文昇(五代目文枝門下)
 奉行所では戸締りのある家に侵入することは計画的で罪が重く、空き巣狙いはふとした出来心からという理由で罪が軽かったとされる。

五、住吉駕籠   桂 枝光(五代目文枝門下)
 駕籠が行き交いしていた住吉街道には二つの用例が見られる。紀州街道の別称で用いられる場合と、住吉大社付近で現在の長居交差点に到る道筋の名称として用いられる場合がある。


第526回 田辺寄席 10年 3月21日(日) 昼席 午後1時10分開演 
   《新・じっくりたっぷりの会−笑福亭円笑の段》


一、 みかん屋   笑福亭 喬介(三喬門下)
 秋から冬にかけて旬とされる“みかん”は、一位・和歌山、二位・愛媛、三位・静岡…この三県で半数以上のシェアを占めている。

二、亀佐   笑福亭 円笑(六代目松鶴門下)
 「亀佐」とは、滋賀県にある「伊吹堂・亀屋佐京商店」という名代の艾屋。創業は寛文元年、西暦一六一六年と伝えられており、ちょうど家康が生涯を閉じ、家光が二代将軍になった頃。

三、厩火事   桂 文太(五代目文枝門下)
 理髪室、理容室は昔床屋と呼ばれていた。髪結いさんが方々のお宅を回って髪を結っていたのだが、のちに開業したのが「髪結い床」。これが床屋の発祥である。

中入り

四、 相撲場風景   笑福亭 瓶吾(鶴瓶門下)
 もともと「相撲の穴」として四代目桂文枝と初代桂春輔が演じていたもの。小便を題材にしているところは「禁酒関所」と通ずるところが。

五、お直し   笑福亭 円笑(六代目松鶴門下)
 蹴転と呼ばれる最下級の女郎屋は俗に河岸見せと呼ばれたが、特に羅生門河岸のそばを通ると強引な客引きに腕を取られ引っ張りあげるところから、羅生門の鬼の腕に洒落て名がついた。



紹介文執筆…吉田 達





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