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10年4月〜演題紹介は「演題怪説」として上田文世さん(演芸ライター)が執筆担当します。 第528回 田辺寄席 10年 4月17日(土) 昼席 午後1時40分開演 《新・じっくりたっぷりの会−桂楽珍の段》 一、犬の目 桂まめだ(文福門下) 目を患った男。紹介されたお医者さんは、たこ焼きの腕前も第一級、名医ちゅうの名医。どんな病気の目もクリーニングで完全治癒。ああ、こんなお医者さんがいたら… 二、半分垢 桂楽珍(文珍門下) 謙虚なお相撲さん。女房が自慢げに自分のことを話すので、謙遜するようにと諭す。そこへお客さん。早速、女房は謙遜して言う。ああ、こんな従順な女房がいたら… 三、居残り佐平次 桂文太(五代目文枝門下) 仲間引き連れて遊びに。飲んで食って芸者あげてのどんちゃん騒ぎ。翌日からは勘定払わず一人で居続け、連日連夜の大騒ぎ。こんなタダ飲み名人に、ああ、私もあやかりたい。 〈仲入り〉 四、腹話術 千田やすし(川上のぼる門下) 人形のひかるちゃんは言いたい放題、歌い放題。おべんちゃらに本音もズバリ。輪唱も出来るんだ。頭の回転がいいねって? 当ったり前よ、360度回転できるんだもん。 五、愛宕山 桂楽珍(文珍門下) 京都の愛宕山は標高924b。大阪の天保山は同4.53b。大阪の太鼓持ち二人、歩いて愛宕山頂上を目指すが、天保山に登るのとは大違い。「楽ちん」とはいきません。 第529回 田辺寄席 10年 4月17日(土)夜席 午後6時10分開演 《新・じっくりたっぷりの会−桂米平の段》 一、七度狐 桂佐ん吉(初代吉朝門下) 尼さんが喜六・清八に勧めた「べちょたれぞうすい」。いっぺん食べてみたいと辞典を調べると「べちょたれはミゾレのこと。ざぶざぶの雑炊」と出ていた。食べるの止めた! 二、田楽喰い 桂米平(米朝門下) 田辺大根のように「ん」の付く言葉を言えば、田楽1本がもらえる。「金看板、銀看板」などと言って43本もせしめたのがいたが、そない食えますか? 三、祝いのし 桂文太(五代目文枝門下) 息子さんの婚礼祝いにと、あわびが持ち込まれるが、父親の家主は縁起が悪いと突き返す。何言うてはりますの家主さん。今あわびを買うと、どれだけ高いことか! 〈仲入り〉 四、七色三味線 虹友美 河内音頭の伴奏はするわ、民謡、歌謡曲、ロック、津軽三味線もお手のもの。浪曲三味線だって任せてちょう! 七色どころか八面六臂(はちめんろっぴ)の大活躍。 五、抜け雀 桂米平(米朝門下) とある宿に泊まった一文無しの絵師。昼に5合、夜に1升の酒を飲む。宿代払えの催促に雀の絵を描いて去る。酒飲みだがらトラを描くと思ったのに。肴が焼き鳥だったかな。 第530回 田辺寄席 10年 4月18日(日) 昼席 午後1時10分開演 《新・じっくりたっぷりの会−笑福亭岐代松の段》 ◆第530回 一.狸賽 笑福亭呂好(呂鶴門下) タヌキのターちゃんは人(タヌキ)が良い。言われた通りに何にでも化けます。大きさだって命令通り。ご主人様の言うがままに変身だ〜い! そのノリの良さに脱帽です。 二、青菜 笑福亭岐代松(六代目松鶴門下) 仕事を終えた植木屋さん。酒・肴でもてなされ帰途へ。大家の旦さんと奥さんの教養あふれる問答に感激。同じことを長屋で実行しようとする。そのノリの良さに脱帽です。 三、幾代餅 桂文太(五代目文枝門下) お江戸の噺の文太版。奉公人のある男。お給金では手の届きそうもない花魁(おいらん)にあこがれて、ただ絵姿を見ただけでク〜ラクラ。そのノリの良さに脱帽です。 〈仲入り〉 四、太神楽曲芸 豊来家玉之助(ラッキー門下) 鋭利な剣があっちへ行ったり、こっちへ行ったり。棒の上にまた棒が乗っかって、あっちへゆ〜らり、こっちへゆ〜らり。落ちそうで落ちません。そのノリの良さに脱帽です。 五、花筏 笑福亭岐代松(六代目松鶴門下) 人気大関の花筏が巡業に出られない。代役に格好がよく似た提灯屋さんが選ばれた。前途の危難も知らず、ホイホイと引き受けてしまう。そのノリの良さに脱帽です。 田辺寄席、演題「怪説」 演芸ライター 上田文世 |