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田辺寄席、演題「怪説」  
   2011年8月
       演芸ライター・上田文世

●第577回 8月20日(土)昼席  《新・じっくりたっぷりの会―林家染弥の段》

一、寿限無       露の 眞(都門下)
 この頃多い男の赤ちゃん名は、大翔、颯真、蒼空。でも何て読む? 大翔は「ひろと」「はると」、颯真は「そうま」、蒼空は「そら」だとか。どう読むか迷うこと限り無し。迷限無(めげむ)で〜す。

二、茗荷宿      林家染弥(染丸門下)
 染弥さんは入門17年になりました。弟子修行で料理を覚え、何でも作れます。冷蔵庫の残り野菜も効果的に利用。「それではミョウガを使って何か一品を」「ええっと、すんません。忘れました」

三、蛇含草   桂 文太(五代目文枝門下)
 東京では清兵衛さんがソバを食うことから「そば清」の演題。大阪ではご承知の通り、餅好きの男が出て曲食いを披露しますが、夏らしい涼感を出すため、餅をそうめんにする演者もいます。

       仲入り

四、うなぎ屋    林家うさぎ(染丸門下)
 先月21日は「土用丑の日」で、うなぎ受難の日。うなぎはマリアナ諸島沖で産まれ長旅の末に日本へ。鰻重を食べながら作ったのかな。「太平洋はるばる土用鰻かな」の句が新聞紙面にありました。

五、辻占茶屋    林家染弥(染丸門下)
 東西を流れる長堀川、南北を流れる西横堀川が交差するところに、炭屋橋、吉野屋橋、下繋(つなぎ)橋、上繋橋があり、合わせて四ツ橋と言われていましたが、ご承知の通り今はもうありません。

●第578回 8月20日(土)昼席    《新・じっくりたっぷりの会―桂 紅雀の段》

一、時うどん     桂 小鯛(塩鯛門下)
 「早起きは3文の得」といって、ええことの代名詞になっていますが、16文でうどん1杯が食えた時代。3文ぐらいで得とは。早起きしても大してええことはないよの戒め≠ニの説もあります。

二、がまの油     桂 紅雀(二代目枝雀門下)
 紅雀さんは故枝雀さん最後のお弟子さんで、まもなく入門16年です。兄弟子さんらに鍛えられ、力を付けてきました。東日本大震災の被災地にも行って、救援の「力」仕事も披露してきました。

三、ご近所の掟(くまざわあかね作)   桂 米二(米二一門)
 あかねさんは落語作家・小佐田定雄さんのキリン、いやサイ(細)君です。才能いっぱいで落語台本も多数。表題作もその一つで米二さんが初披露、お客さんの投票で、この演題となりました。

       仲入り

四、死神       桂 文太(五代目文枝門下)
 西洋の「死神」は白骨状の体で、手には大きな鎌を持っていて、鎌を振り下ろすと死者が出る。原話はイタリアのオペラ『靴直しのクリピスノ』ということで、あの三遊亭円朝が創作したそうだ。

五、くっしゃみ講釈   桂 紅雀(二代目枝雀門下)
 くしゃみの音量は男女差が大きい。だから、男性から女性になった人は「くしゃみが怖い」そうです。特訓で声は女性らしくなったのに、くしゃみ一発でその努力がフイになってしまうからです。

●第579回 8月21日(土)昼席    《新・じっくりたっぷりの会―桂 三金の段》

一、営業一課の高田君   桂さろめ (あやめ門下)
 「おひとりさまでいい」という女性が増えたからか、女性の結婚年齢は上がって来て、近頃は20代後半になっている。でも東日本大震災を機にきずな・ぬくもりを求める人も増えてきているそうだ。

二、奥野君の幽霊     桂 三金(三枝門下)
 三金さんは信用金庫マンからの転身で、入門して17年。血液型がO型なら体型も大型です。それを活かしたデブネタで絶好調。先月は同じ体型仲間とNGKで、デブ新喜劇を披露してきました。

三、すっぽん三次     桂 文太(五代目文枝門下)
 すっぽんは、神戸で出土の銅鐸の図柄にまで登場しているほどで、古くから馴染みの動物です。また「噛まれると雷が鳴っても離さない」と言われるほど、その強烈さ・しつこさで有名です。

       仲入り

四、相部屋(桂三枝作)  桂 三歩(三枝門下)
 知人におしっこが近い人がいて、奥さんが散歩に連れ出すと、数百bおきにトイレを探すそうです。「犬を連れて歩いているよう」と、奥さんがこぼしていました。やはり健康第一です。

五、幸助餅       桂 三金(三枝門下)
 力士で思い出すのは、江戸の名大関・雷電為右衛門。21年の現役生活で負けたのはわずかに10、勝率9割6分2厘。生まれ故郷の上田市近郊にある道の駅に彫像があり、見ましたがとにかくでかい。




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