田辺寄席  
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中川 桂(芸能史研究者・大阪大学非常勤講師)による
演題紹介


346回 2002年12月15日
《たっぷり じっくりの会》桂梅団治の段

一、子ほめ/桂 ひろば(ざこば門下)

今年、関西囲碁界に中学1年生と小学6年生、2人の少年プロ棋士が生まれた。人気マンガ「ヒカルの碁」の影響も囁かれるが、それよりもコンピューターソフトを使ってのデータ分析や、インターネット上でのオンライン対局が実力を伸ばすのに役立ったらしい。どんな分野でも子どものうちに鍛え込むのは大きな強みだが、赤ん坊に挨拶を教えるのは早すぎてムチャなようだ。ひろばさん、田辺寄席初出演。

二、宇治の柴船/桂 梅団治(春団治門下)

かつては師匠の三代目春団治師も演じていたが、最近はあまり聴かない一席。話に出てくる小西来山は江戸中期に実在した大坂生まれの俳人で、西山宗因にも俳諧を学んだ。いっぽうの美人画を描いた画家、速記本などには「井上素山」と、もっともらしい名前が記されているが、実在の画家かどうか全く資料がなく、まるで分からない。ご存知の方はお教えください…。

三、お楽しみ(2)/桂 文太(文枝門下)

今年も残すところ半月ほどとなり、本年の主要ニュースや流行語などが新聞・テレビを賑わせる時期となった。そこであくまでも独断により、本年田辺寄席の4大ニュース。(1)10月、文太師匠のリクエスト落語が足かけ7年で99席に到達して完結。(2)9月、当寄席開始以来初の『地獄八景亡者戯』が登場(枝三郎さん)。(3)6月、鶴瓶さんが急遽ゲスト出演して『子はかすがい』口演。(4)11月、ホームページ開設。

中入り

四、ダンシング・ドクター/桂 三金(三枝門下)

今年は2人も、日本の研究者がノーベル賞を受賞した。田中耕一さんは博士号を持たず在野での受賞だったが、一般的には博士クラスの研究者が受賞し、式後には舞踏会に臨む。博士が舞踏会でダンスをすれば、これがホンマのダンシング・ドクター……苦しい…。三金さんの一席は、新作らしい効果音や振り付けにも要注目。

五、不動坊/桂 梅団治(春団治門下)

風呂屋で「金貸しの利吉」が、おたきさん嫁入り時のあれこれを空想するところで語っている浄瑠璃「こんな殿御と…」は『本朝廿四孝』の四段目にあたる「十種香」の段のひとフシ。謙信の娘・八重垣姫が、信玄の息子で許婚である武田勝頼の切腹を知り、床にかけた絵姿に向かって経を読み回向する、という場面である。




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