田辺寄席  
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中川 桂(芸能史研究者・大阪大学非常勤講師)による
演題紹介


第355回 2003年9月14日
《たっぷり じっくりの会》桂 あやめの段

一、犬の眼/桂 しん吉(吉朝門下)

お医者さんを取り上げたことわざは多いが、どうも否定的な意味合いに使われているものが大半のようだ。「医者の不養生」はよく知られているが、同様のものに「医者の若死に」というのもある。「医者の只今」は、すぐ行くと言いながらもなかなか来ないので当てにならないというもので、現在ならソバ屋の「いま出ました」みたいなものか。その点、この目医者さんは来院則診療だが、流行ってない証拠ともいえる。

二、セールスウーマン/桂 あやめ(文枝門下)

阪神タイガース、18年ぶりの優勝!…と書きたいところなのだが、この文章作成時点ではまだ決まらず。優勝の「Xデー」はいつ? もし14日てなことになったら田辺寄席には悪いタイミングだが…。ファンでなくても、決定後のバーゲンセールを楽しみにしている人は多いはず。これはVバーゲンや便乗セールと違い、コツコツ地道に化粧品を販売する女性たちの噺。

三、ズバリ当てま賞〜「り」の九番/桂 文太(文枝門下)

第八回「ち」は『千早ふる』だった。直前が文昇さんの『崇徳院』だったので、同じ百人一首ネタの予想は少ないかと思ったが、意外や一番人気。お客さんも「ウラ」を読んできてる?
今回は
a、『悋気の独楽』文枝師匠から受け継いだおはこ。
b、『龍宮界龍の都』お囃子もふんだんに、後半は芝居がかり。
c、『悋気の提灯』東京移入の軽妙な一席。
d、その他

中入り

四、看板のピン/笑福亭 瓶吾(鶴瓶門下)

看板や見本と、実物が大きく違う…と言われて思い出すのは、とくに大衆的な食堂のサンプルでしょうか。店頭ケース内のエビフライは、実物の二倍ぐらいあったりする。某大学の学生食堂では、トンカツ定食を注文したつもりが、食べてみたら「コロモ定食」やがな…てな経験も。さて、この噺で問題となる、ホンマもんと看板の食い違いとは。

五、コンパ大作戦  桂 あやめ(文枝門下)

あやめさんの創作落語は、作られた時期の順に、自身の年齢の推移に符合するような女性たちが登場してくるものが多い。若い頃は『セールスウーマン』のような若い店員や、社内の男性に恋心を抱く独身OL。そして姑と対立する新妻や、高齢出産した女性と、その同級生の娘という新米ママ…といった具合。この噺でも、学生の気楽なコンパとは違い、結婚を焦りだした女性たちの真剣なコンパ模様が描かれる。

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