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中川 桂(芸能史研究者・大阪大学非常勤講師)による
演題紹介


第360回 2004年2月22日
《たっぷり じっくりの会》桂枝光の段

一、江戸荒物/林家 卯三郎(染丸門下)

ものの名称が東・西で異なっていた時代の噺で、「こちらの『いかき(笊)』を向こうでは『ざる』、『おうこ(朸)』のことは『天秤棒』と言う」などという説明も出てくるが、現在は呼称が東京式にほぼ統一されてしまっており、むしろ上方の言葉のほうがなじみ薄くなってしまった。いま、東と西で呼び方が大きく異なるものはあるだろうか…「たぬきそば」?これは中身が違うのか…探せば何か出てきそうだが。

二、相撲場風景/桂 枝光(文枝門下)

若・貴ブームで大相撲がつねに満員御礼となり、テレビ中継も高視聴率をマークしたのは昔の話。昨今は人気低落で、来月の大阪場所を前にして観覧券の宣伝を目にする機会が増えた気がする。しかし、いくら入手し易くなったとはいえマス席の特等が4人分で7〜8万円、一人分のイス席でも良席は1万6千円、安くても4千円弱…となると、なかなか手が出ない。こんな高値ではとても酒飲んで寝てられません。

三、佐々木裁き/桂 紅雀(故・枝雀門下)

「孟母三遷」ということわざは有名だが、その故事来歴はご存知だろうか。孟子一家は始め墓地近くに住んでいたが、幼い孟子が葬式ごっこをするのを見て母親は環境がよくないと思い、市場のそばに転居した。すると今度は商売ごっこや物売り口上の真似をするので、次は学校のそばに転宅。孟子が儀式や礼法を真似るのを見て、ここを最良の地と定めたという。奉行所のそばは教育環境としてどうだったのか?

中入り

四、ズバリ当てま賞〜「か」の十四番/桂 文太(文枝門下)

「わ」の十三番は、投票二番人気の東京種『藁人形』だった。不気味な雰囲気も漂う噺だけに、参加者の感想を見ていても、評価が分かれるところもあるようだ。今月は「か」で、先月と一転して候補作が目白押し。
a、『軽業』…『東の旅』の中の一席。喜六・清八がある村へさしかかると、神社の裏手にさまざまな見世物小屋が。
b、『嬶違い』橘ノ円都師匠から文枝師匠に伝わった珍品。長屋の独り者が同じ日に嫁を貰うことになったが、仲人さんに不都合が。
c、『火焔太鼓』東京種。かつて五代目志ん生師匠の十八番にして、今は文太師匠の十八番、との本人の弁。道具屋が仕入れた太鼓の音が殿様の耳に…。
d、その他

五、ねずみ/桂 枝光(文枝門下)

浪曲種の落語だが、そもそもは講談からの物語とも。東京の三代目桂三木助師匠が浪曲師の二代目広沢菊春に落語『加賀の千代』と交換にネタを譲ってもらい、一九五六(昭和31)年に『甚五郎の鼠』の題で初演した。その後、タイトルを『ねずみ』と変更したが、こちらのほうが印象もやわらかく、落語的でよい。最近は上方でも何人かの中堅・若手が演じている。

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