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中川 桂(芸能史研究者・大阪大学非常勤講師)による
演題紹介


第363回 2004年5月23日
《たっぷり じっくりの会》桂 三風の段

一、大安売り/桂 ひろば(ざこば門下)

地元田辺出身の松本太一君が、今月の夏場所から序の口として土俵へ登場。すでに『寄合酒』でも入門が紹介されたので皆さんもご存知のことだろう。いま注目の郷土力士だ。ところで、その松本君も合格者の一人となった春場所での新弟子検査、合格には一七三センチ・七五キロ以上の体格基準クリアか、それ以下でも体力テストの通過が必要。田辺寄席二回目のひろばさん、体重だけなら新弟子検査も悠々パスだ。

二、テレショップ・パニック/桂 三風(三枝門下)

観客に歓声やどよめきの声を入れてもらうという「客席参加型落語」で全国展開中の三風さん、その「おすすめ商品」がこの一席。テレビショッピングは商品宣伝自体を番組にしてしまったような「インフォマーシャル」(インフォメーション+コマーシャル)と呼ばれる形式で、商品をじっくり時間をかけて説明するのが受けているようだ。この落語ではどんな商品が?

三、豊竹屋/桂 かい枝(文枝門下)

文楽の大夫さん(義太夫語り)には竹本と豊竹の二つの姓があるが、豊竹の始祖は元禄期に活躍した初代豊竹若太夫である。南船場の生まれで初め竹本義太夫に入門し竹本釆女を名乗ったが、のちに独立し、豊竹若太夫と改名して道頓堀に豊竹座を旗揚げした。人形浄瑠璃全盛期には竹本・豊竹の両座が切磋琢磨して発展したといわれる。そんな先人にあやかったような豊竹屋の節右衛門さんが語る浄瑠璃とは。

中入り

四、ズバリ当てま賞〜「れ」の十七番/桂 文太(文枝門下)

先月の「た」は予想外に混迷。結果は、選択肢に演題が挙がった3席の中では最少得票の『代脈』だった。芝居噺や珍品が好きな文太師匠なら『蛸芝居』か『高倉狐』と考えるのが順当で、お客さんは裏をかかれた、というところか。さて、今月「れ」の候補作を見ると……、困難もここに極まれり。
a、『檸檬』〜梶井基次郎作。不安で押しつぶされそうな青年の精神が、一個のレモンによって蘇生されるという話。
b、『レ・ミゼラブル』〜ユーゴー作。邦題『ああ、無情』としても知られるジャン・バルジャンの物語。
c、『連獅子』〜三田純市作。舞踊の家に生まれた息子が道楽者、家を飛び出すが…。
d、その他

五、同窓会/桂 三風(三枝門下)

どうも同窓会というもの、開催される学年やクラスと、一向に開かれないケースとが両極端に分かれるようだ。在学中に仲がよかった、雰囲気が楽しかった場合に開かれるとも限らず、世話好きの幹事がいるか、または先生自ら音頭をとって推進するような学年やクラスでは年中行事のように行うらしい。この一席は三枝師匠の原作(別題で口演)を三風さんが脚色。

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