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中川 桂(芸能史研究者・大阪大学非常勤講師)による
演題紹介


第375回 2005年5月22日
《新・じっくりたっぷりの会》林家うさぎの段

一、時うどん/桂 しん吉(吉朝門下)

6月10日の時の記念日を前に、本日は昔の時刻が大きなカギになる『時うどん』から。江戸時代の不定時法では、日の出・日の入りを基準に時刻を定めるため、日の長さによって時間帯が変わるが、「九つ」はほぼ昼・夜の12時にあたる。最初に二人がうどんを食べたのは深夜というわけだ。そこから八つ、七つ…と数えていくが、一時(いっとき)が約2時間だから、サゲの時間は…どうぞ各自でお考え下さい。

二、うなぎ屋/林家 うさぎ(染丸門下)

江戸末期の文献によると、京・大坂の鰻屋は鰻だけを出す専門店ではなかったらしい。表の掛け行灯には「万川魚」と書かれており、店内には生洲があって鰻のほか鯉、鮒なども商っていた。ところが同時期の江戸では、鰻だけを扱う店がほとんどで、他の魚は出さなかったという。「自分の心にかなう鰻がない時は、数日でも休業する」とも書かれているから、こだわりの店主は昔からいたようだ。

三、莨の火/笑福亭 松枝(松枝一門)

不況下で消費者金融に頼る人がますます増えており、テレビCMでも目にする機会が多いが、問題は返済である。そのためCMや、街頭で配っているティッシュにも「ご利用は計画的に」などと注意が促してあるが、計画性のある人なら、返済が滞るような借り方はハナからしないだろうと思いますな。金利が高いのが返済に苦労する理由だろうか。この噺に登場する旦那、現代に生きていたら金融会社の上得意では…。

中入り

四、ズバリ当てま賞〜「や」の二十九番/桂 文太(故・五代目文枝門下)

先月の「く」の二十八番では、3月に続いて投票がaからcまで均等に分かれた。演じられたのは先般亡くなった文枝師匠の得意ネタでもあった『口入屋』。これだけの器量と特技を持つおなごしさんが実際に来たら、お店の中はそれこそ大変な騒ぎになっただろう。今月は「や」の巻、ネタはけっこうあります。
a、『やいと丁稚』最近は東京型の『強情灸』のほうがよく演じられるが、こちらが上方本来のもの。
b、『宿替え』落ち着きのない人が忘れ物をするのは常のことだが、引っ越しで忘れた意外なものとは。c、『宿屋仇』大坂は日本橋の宿屋「紀州屋源助」方で展開される、武士と兵庫の三人連れとの攻防。
d、その他

五、佐々木裁き/林家 うさぎ(染丸門下)

今月5日の子どもの日にあたり、幼児・小学生が「大人になったらなりたいもの」の調査結果が新聞に出ていた。男の子の1位は3年ぶりに野球選手。メジャーでの日本選手の活躍の影響か。7位の運転士は来年どうなる? 女の子は8年連続で食べ物屋さんがトップで、プロゴルファーや卓球選手はベスト10に入らず。四郎吉君の将来の夢はなんだったのだろう。

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